2016年10月27日木曜日

1032.「経済学私小説〈定常〉の中の豊かさ」 齊藤誠

小説で経済学を学べる点が非常に面白いです。とっつきにくいテーマに触れやすいです。

ただ、1000兆円の国債を国の借金とし、相殺できる債務に触れず、政府が借金をしている相手が日本国民であることを明らかにしないのは不公平だと思いました。経済学者は、本当にこう考えているのか、経産省の覚えをよくしたいのか分かりません。

また、国債を消費税で返済するように思えてしまう記載も不適切です。目的税ではないのだから、消費税で国債を返済したり、社会保障に当てたりするという説明は、国民を欺く目眩ましと感じました。