2016年11月8日火曜日

1039.「あなたも国際政治を予測できる! 最強兵器としての地政学」 藤井 厳喜

世界史のような地政学の本が多い中、しっかりと地理から地政学を語った正当な地政学の本です。地図を多用し分かりやすく書かれており、地政学の入門書として最適です。

世界地図から一部分を切り取り、その国から見た地理の向きに変えているため、見慣れた地図が一変します。すると、日本人が持っているパラダイムが変換され、その国の視点から各国独自の状況が分かります。

ロシアがなぜクリミア半島を併合したのか、中国がなぜ東シナ海と南シナ海にこだわるのか、台湾がなぜ中国にとって重要な位置を占めるのかなど、地政学的に理解することができます。

本来、シーパワーの国である日本が、協力な陸軍を持ったために大陸に引きずり込まれ、敗戦したということが納得できました。

韓国の緩衝地帯としての満州に進出する原因となった韓国併合が一番の敗因だと思います。そして、ロシアと中国からの緩衝地帯である韓国を独立させることが得策であったのですが、併合してしまったために、現在の日本の権益に敵対する富と1000年消えることのない恨みを買うことになってしまいました。

シーパワー国である日本は、ランドパワー国である中国と韓国とは水と油で決して交わることはりません。政治、経済面で深入りすることなく、海軍を強化して、領土防衛に務めるべきと思いました。