2016年11月18日金曜日

1046.「これが世界と日本経済の真実だ」 高橋洋一

現在の政治、経済について幅広く、深い見識から語っており勉強になります。

「社会保障は社会保険料と所得税で賄うべきであり、消費税を使うべきではない。そんな国は他にない。」という話は、その通りだと思いました。

「集団的自衛権を行使した方が戦争リスクが減る。米軍が出ていった場合、その穴を賄うには10兆、20兆円を超える」というのも正論だと思います。

ただ、「TPP交渉においては日本が優位に立っている。」という主張は根拠が薄いと感じました。ヒラリーとトランプが反対しているからという理由では納得できませんでした。

また、郵貯民営化は著者のアイデアのようですが、何ということをしてくれたのかと思いました。「国際と同じ条件で集めたお金を国際で運用すれば、人件費分だけ赤字になる。」というのが論拠ですが、これまでそういった赤字が発生したのでしょうか。

郵貯のお金で国際を買い、財政投融資で公共事業を行った結果、国債の利回りが上がれば黒字になるように思いました。郵貯資金で国債を買うことで日本国民が国債を持つということになれば自らのお金で自らの国を整備するという、悪くない仕組みだと思います。企業や株式に投資するというのは銀行に任せて、郵貯は国に投資した方がよい役割分担ですし、民業を圧迫しないのではないでしょうか。