2016年11月21日月曜日

1047.「総理 」山口 敬之

安倍晋三内閣総理大臣の挫折と復活を描いたノンフィクションです。

安倍首相を筆頭に多くの政治家のプライベートな姿が描かれています。

特に、麻生太郎氏と中川昭一氏については、これまでの見方が変わりました。

ただ、全て事実を書いているのなら本人を裏切っていることになるし、本人の承諾を取っているのなら本当に悪い内容は書かれていないことになるように思えました。

政界の内幕話なので、読むのに苦労するかと思いましたが、予想に反し面白くすいすい読めました。

特に、消費税増税の先送りの葛藤が興味深かったです。

財務省が増税の根拠とした
-消費税を先送りすると国債が売られ長期金利が高騰する
-国際的な信用が奈落の底に落ちる
は、現時点で全く起きていません。財務省のプロパガンダは酷いものだと感じました。

TPPを推進していることと、消費税を凍結しなかったこと、公共投資を削減したこと、慰安婦問題で譲歩してことは不満ですが、外交や国防を中心にうまく運営していると思いました。

安倍氏は、首相辞任から5年の期間を経て、本当に別人の様な強い首相になったと思います。