2016年12月9日金曜日

1060.「すみなれたからだで」 窪美澄

著者の文章は短文で無駄な単語がないにもかかわらず、情景をありありと浮かび上がらせる素晴らしいものです。

前作はSFっぽい作品でしたが、本作はまた現代の日常生活の中で、大きな事件は起きないものの人々の切実な悩みを描いています。

後を引くような衝撃はないものの、肌感覚で人間の感情を非常に現実的に表現する、著者らしい作品です。