2016年12月22日木曜日

1069.「津軽百年食堂」 森沢 明夫

青森県には、県が定めた「百年食堂」があるそうです。「百年食堂」とは、三世代、70年以上続いている大衆食堂をいいます。

弘前の百年食堂「大森食堂」の四代目にあたる陽一の仕事、故郷、恋愛が詰まった物語です。

話は、「大森食堂」を開いた賢治から始まります。生まれつき右足の指がない賢治が、足の障害に苦しみながらも、障害に立ち向かい、受け入れることで優しい人間となり、伴侶を得て創業します。

陽一は、「大森食堂」を次ぐこと父に告げましたが、父は他所で修行することを条件とします。陽一は、東京の中華料理店で働き始めますが料理長に逆らいクビになり、その後は目標を見失い鬱々とした日々を送っています。

そんなとき、偶然、同郷の七海と出会い、付き合うことになります。七海の生き方などに触れていくうちに、仕事に対する考え方も変わっていき・・・

ほのぼのとした、美しい物語です。