2017年3月1日水曜日

1110.「倒れるときは前のめり」 有川 浩

著者初のエッセイ集です。
タイトルは、坂本龍馬の言葉で著者がサインを書く時に好んで書いているそうです。

開けっぴろげな素顔と、独特の視点がとても面白いです。

湊かなえさんと仲がよく、同年代で2人とも阪神・淡路大震災に被災したそうです。被災者としての本音は、「同情するより金をくれ」です。

多くの国民が被災者に同情し、経済活動を自粛しましたが、かえって迷惑だったようです。そのことにより、日本国内の消費が抑制されてしまい、お金が循環しなくなり、被災地に一番必要なお金が回らなくなってしまいます。

当時、すぐ横の大阪は震災後も何の変わりもなく、元気に庶民が物を買っているのをみて、すぐにああなれるんだと励みになったそうです。

同情することが人間として優しいことのように思えますが、他人の不幸に引きづられず自分は元気でいることが、巡り巡って困っている人を助けることもあるのだなと思いました。