2017年4月14日金曜日

1140.「あのこは貴族」 山内 マリコ

私にとって全く知らない世界を見せてくれます。
日本の貴族社会の内実と、貴族同士の結婚。

華子は松濤に住む26歳の女性です。家は代々続いた整形外科を経営しています。そんな華子も30歳近くになり、結婚を考えていますがお嬢様として育てられた華子は一般の男性とは生活習慣も文化も全く噛み合わず、焦るばかりの日々が続き・・・

華子という名前が華族を暗示しているようです。本書を読むと普段は全く気づかないものの、実は今でも日本は階層社会なのだなと感じます。上位階層は住む場所も通う学校も限られており、その人脈で日本の政治や経済に大きな影響を与えています。

その中で育った華子と、地方から状況してきた美紀の対比から、「東京」というものを角度を変えて浮き彫りにします。

何不自由なく育つことの不自由や、育った地域や階層に関わりなく自分で途を切り開く女性の成長が描かれています。