2017年5月10日水曜日

1155.「生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの」 伊賀 泰代

またもやのマッキンゼー本です。しかも著者は出版の5年も前に退社しており、退社時はコンサルタントではなく人事のマネジャーでした。これで「マッキンゼー」を売り物にするのはどうかと思いますね。

マッキンゼーが世界で一番素晴らしい会社のような書きっぷりですが本当でしょうか。
そうだとしても、著者は5年でコンサルを止めており、その後の12年は人事でしたが生産性を語れる立場にあるのでしょうか。
マッキンゼーはアウトプット÷インプットの生産性は高いかもしれませんが、クライアント側のプロフィット÷マッキンゼーのアウトプットのコストパフォマンスはどうなのでしょうか。

内容はステレオタイプの日本のホワイトカラーの生産性低い論です。さすがに製造現場は否定していません。分からないのかもしれません。さらには地方の漁業や農業の生産性まで批判しています。こういう産業は高齢化と人手不足解決のための生産性向上は不可欠ですが、生産量を増やすという意味であればデフレの現状ではおかしな主張だと感じました。

コンサルタント経験者らしく、漠然とした不安感をうまくかきたてており、何だかすごいなという印象を与え、「マッキンゼー」のタイトルにより注目度と神秘性が付与されているのでよく売れているのでしょう。

ただ、これを読んだからといって読者の生産性が上がるかは疑問です。