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2018年3月20日火曜日

1195.「江副浩正」 馬場 マコト、 土屋 洋

リクルート社の創業者である江副浩正さんの正伝です。稀代の起業家の光と影が緻密に描かれています。間違いのない名作であり、恐るべき大作です。

今では売上高一兆円を超えるリクルートを創り、リクルートOB・OGからも慕われる江副さんですが、ある時を境にその経営方針や人格までもが変容してしまったようです。

世の中になかった事業を熱意を持った少人数で新規に起こしていった江副一世と、既存事業を大規模資本と営業力を持った大多数で高速で開拓していった江副二世。

現在では、江副二世の仕事は撤退を余儀なくされ、リクルートに残っているのは、江副一世が起こした仕事のようです。

そして、江副一世が創った社風が今でも色濃く残っており、今、江副さんを慕って語られるのは江副一世時代の話のようです。

あれだけの功績を成し遂げたにも関わらず、晩年は、20年近くにわたるリクルート裁判、株式売買の損失、元妻からの財産分与裁判、健康不安、そして認知症発症と苦難が続きます。

自ら大きな不幸を背負い込んだ代わりに、リクルートという世にも稀な文化を持った企業を生み出し、日本の企業のあり方や、引いては日本経済にも大きな影響を与えたのでしょうか。就職、住宅、結婚、旅行など情報によって日本人の生き方を変えたとも言えるでしょう。

リクルート事件で逮捕された時、江副さんは、51歳でした。その年令までにあれだけの企業グループを育て上げる一方で、マスコミや検察から吊るし上げられ、世間からは蛇蝎のごとく憎まれました。その才能は本当に惜しまれます。

「自ら機会を創り出し機会によって自らを変えよ」
江副さんが創り出した言葉が刻まれたプレートが私の机の上にあります。それを毎日眺めながら、今日はどんな機会を創り出そうか日々考えています。