2017年5月30日火曜日

1163.「日米対等 トランプで変わる日本の国防・外交・経済」 藤井 厳喜

アメリカはトランプノミクスで経済が良くなるというのが著者の見立てです。

トランプノミクスはレーガノミクスの焼き直しで、基本的にはケインズ経済政策です。政府の財政赤字は拡大しますが、雇用と景気は改善します。

それを実行するためには、ウォール街(新自由主義、グローバリズム)と、どうやって手を握るかが重要です。

そして、トランプノミクスが上手く行ったとしても、ドル高を誘引してしまうと、景気にブレーキがかかります。レーガンの時は、プラザ合意でドルを引き下げましたが、現代ではそういう手は打てないのでどう通貨価値をコントロールするのか。

日本については、アメリカ軍は極東から撤退しないものの、人員は大幅に削減してくるので、これにどう対処するかが問題です。著者の提案では軍事費を国連の決め事でもあるGDPの2%まで引き上げ、アメリカの最新兵器を購入すればアメリカの貿易赤字が縮小し、日本の国防力も強化されるとのことです。

まさに一挙両得の提案で、この案が日本政府に実行されることを期待します。