2017年9月21日木曜日

1319.「父・福田恆存」福田逸

福田恆存の本といえば、評論しか読んでいませんでした。

評論文では革新的かつ断定的な意見で自身に溢れていますが、本書では息子さんから見た素顔の恆存が描かれています。

本書では評論家としてではなく、翻訳家、脚本家、演出家、劇団代表としての顔が中心です。友人との喧嘩や息子との確執などに悩む”人間”福田恆存が描かれています。

劇団運営における資金難、俳優たちの別離、脳梗塞による衰えなどが生々しく、こういった苦悩を抱えていたことに驚きました。