2017年12月25日月曜日

1158.「消えない月」 畑野智美

ストーカーの被害者側と加害者側から描かれた犯罪小説。

松原は、一見普通のイケメン。さくらは松原と交際を始めるが、松原は独占欲が強く、さくらが自分の言うことに疑問を持つと起こり始める。怖くなったさくらは、「別れたい」とLineするのだが・・・

松原はマザコンで、亡くなった父親へのコンプレックスをいただいています。相手の言動は自分の都合のよいようにしか解釈しません。

さくらは、優しくて気が弱く、嫌と言えない性格です。そのため、以前にも老人にストーカーされたという過去があります。その性格がストーカーを引き付けてしまうようです。

松原から逃げても逃げても追われ続ける状況が不気味です。警察の不親切な対応とさくらの自分さえ我慢すればという意識がストーカー行為を悪化させてしまいます。

ストーカー事件はこうして起きるのかと実感できる小説です。