2018年12月3日月曜日

1308.「一等兵戦死」 松村 益二

昭和13年に刊行されたものの、GHQによって焚書にされた名著の復刻版です。

著者は、新聞記者でしたが支那事変に応召されて戦地へ赴きました。戦地で実際に体験したことを生々しくも時にユーモアを交えて描いています。

死体が浮かぶクリークから汲んだドブ水は沸かしてもとてもまずく、その水で炊いたご飯は臭くて食べられません。慢性的に下痢をしながらも、体調不良を口にせず戦場へ向かいます。あちこちに死体が散乱し、それを跨ぎながら行軍していきます。

支那兵は狡猾かつ残忍で、同じ民族の妊婦ですら陵辱して、手足を縛り、体を切り刻んで殺害して、全裸のまま放置します。戦時中に日本兵が日本人を惨殺して金や物を奪って逃げたという話を聞いたことがないのと対象的です。

頼りになるのは、食料を分け合い、互いの命を守りあった戦友のみです。しかし、その戦友の命も突然に奪われていきます。

本書を読むと日本人の義侠心の厚さと、日本という国の清潔さや美しさがよく分かります。

その日本国と日本人を守るために自らの命を犠牲にしていった兵士たちを侵略者だったように教えられ、その魂が眠る靖国神社を総理大臣が参拝できない現状を残念に思いました。