445ページという長編なのに最後まで全く飽きさせませんでした。
10才の章子に30才になった未来の章子からの手紙が届くというちょっとほのぼのとしたミステリーから話が展開します。
10才の章子が大人章子へ自分の環境を語った手紙を書くという著者が得意な手紙形式で話が進みます。
徐々に章子の人生が暗転していき、さらに父母の秘密が暗くのしかかり、周囲の人たちにも様々なトラブルが。
普通だった日常がどんどん陰惨になっていく重厚なミステリーです。
陰鬱な終盤ですが、ラストのかすかな希望で救われる秀逸な作品です。