2013年9月11日水曜日

119.「検証・学歴の効用」濱中 淳子

何気なく選んで読み始めましたが、非常に面白く勉強になりました。

バックデータがリクルートのワークス研究所であるため信頼も置けます。
学歴と所得の関係性について分析されていますが
自分自身や周囲を見ても当てはまると感じました。

私は経済学系の学部卒ですが、自分自身が初めて就職したときの
「大学を出たのに何でこんなことをするのか」
という無力感の原因が明確になり、非常に納得しました。
また、なぜ読書を勧める経済人が多いのか、
なぜ自分はなぜ卒業後も学習することに拘り続けたのか。
なぜ大学での専門分野に近い学習を続けたのに
勤務した企業で殆ど評価されず、所得向上にも効果がなかったのかがわかりました。

概略は下記のとおりです。大変示唆に富む、お勧めの本です。

1. 大卒学歴の効用は増大している
2. 高卒と大卒は「異質な人材」だとみなることができる
3. 大学時代をどのように過ごしたかが、経済的効用を左右する
4. 女子にとっての大学進学は、「オールマイティ」な効用をもたらす
5. 専門学校の効用は資格につながる領域に限定して確認される
6. 院卒学歴の効用は、現段階では小さいが、注目される教育機能もある