2013年9月10日火曜日

118.「新自由主義の帰結―なぜ世界経済は停滞するのか」 服部 茂幸

まず、いくつかの文章で「オヤ?」と思いました。

「もし10%や30%といったハイパーインフレが必要だとすれば」
国際会計基準の定義では3年間で累積100%(年率約26%)の物価上昇を
ハイパーインフレーションと呼びます。
10%ではハイパーインフレとは言わないのでは?

「19世紀の古典的な資本主義では、会社は株主のものだった。」
今でもそのはずですが・・・。

新自由主義について詳説し、その具体例が列挙されると思っていましたが、
そうではありませんでした。
1990年代からのアメリカを中心とした経済を著者の視点から語られます。

新自由主義がアメリカでどのように採用され、
それがもとで現状がこうであるという話でもありませんでした。
アメリカの経済政策は新自由主義だという前提のもの、
住宅バブルの原因はグリーンスパンの金融緩和だというシンプルな結論です。

そして、著者は、
「日本はニューディール政策を学べ。
そして、経済学はアメリカからもたらされたのだから、
今後、アメリカで起きたことが日本でも起きる。
だから、アメリカ自由主義の現実を学べ。」
と結論付けているように思えました。
(118/2013)
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