2014年2月7日金曜日

245.「私、社長ではなくなりました。 ― ワイキューブとの7435日」 安田 佳生

よく思うのですが、「リクルート出身」という肩書で売り出す人の中には、正社員ではなかった人が結構多いです。


この著者も、実は契約社員であり、正社員として採用されていません。

著者はそれを隠しいないので拘っていないと思いますが、周囲がことさらに「リクルート出身」を強調してしまうのでしょうか。

リクルート時代の記述がとても面白かったです。
外交的な体育会系の学生を採用し、朝から全員そろってスローガンを唱える。私がいた頃のリクルートもそうでした。営業カルト集団。しかし、中に入ってみると徐々にそれが普通に思え、結構楽しかったです。

著者は、リクルートのやり方に馴染めず起業したのですが、実際にやっていたことはリクルートの後追いのように感じました。

リクルートに追いつけなかったのは、
1. 営業力
2. グランドデザイン
3. 社員のモチベーション管理
と思えました。

ワイキューブが20年も存続して来れたのは、
下記のサイクルが上手く回っていたように思えます。
1. 顧客への視点より自分の快適さ優先

2. それを隠すため社員にも贅沢

3. 銀行から借入れ

4. マスコミから注目

5. ブランド力アップ

6. 銀行への利子返済

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しかし、このサイクルで成長したものの、市場が頭打ちになり、リーマン・ショックで企業が採用を控えて市場が縮小すると、立ち行かなくなってしまったようです。