2014年3月29日土曜日

297.「奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち」 伊藤 氏貴


国語の教科書を一切使わず、一冊の薄い文庫本「銀の匙」を3年間かけて読むという国語授業を行った、灘高の国語教師、橋本武先生を紹介する本です。

灘高は中高一貫校で、各科目の6年間の授業を一人の教師が担当します。だから、橋本先生が担任する生徒も6年毎になりますし、科目も国語だけだから、この方式で灘高が進学校になったわけではありません。

また、「銀の匙」を3年かけて読むので、後の3年間は別の教材を使っているはずです。

3年かけて読むといっても、音読を繰り返すのではありません。橋本先生オリジナルのプリントを大量に使います。これも、単なる漢字書き取りや穴埋め問題というものではなく、各章のタイトルを考えたり、200字ピッタリに要約したりする、自分の頭で考えるものです。

さらに、「寄り道」を重視して、十干十二支を調べたり、実際に凧作りをしたりします。

こういう教え方をするならば、確かに国語の教科書は不要であるばかりか、自分で興味を持って調べるという習慣も身につくはずです。