2014年5月29日木曜日

361.「誰よりも狙われた男」 ジョン・ル・カレ

チェチェン紛争の落とし子、イッサは、投獄され、拷問を受けながらも、ドイツのハンブルグに逃げ込みます。

彼に託された巨額の遺産をもとにドイツで市民権を得るために。

しかし、ドイツの諜報機関が彼の遺産を利用することを企んだことから、イッサに協力する人権弁護士アナベルと銀行家ブルーも謀略に巻き込まれていきます。

断片的にしか触れないチェチェン紛争、名誉の殺人、テロの資金洗浄などが、実体感を持って理解できるスパイ小説です。