3巻までは、1冊で3冊の古書を紹介す短編でしたが、4巻は1冊丸ごと江戸川乱歩に関する長編です。1冊にまつわるエピソードだけでもすごいのですが、一人の作家についてここまで語れるのは最早圧巻です。
しかも、4巻では、ヒトリ書房の井上店主と、栞子の母智恵子との因縁まで描いているところが深いです。こうしてみると、1巻の段階で智恵子の話を含めて全体像を描いていたのでしょうか。その世界観の広さに驚きます。
僕も小学生の頃、少年探偵団に夢中になりました。少年探偵団の1作目が書かれたのが昭和11年で、その後25年間も書き続けられたそうです。僕が読んだ時点で、すでに40年近く経っていたとは、これまで全く気づきませんでした。