前作で全て処分されたはずの特殊薬物〝ヒート〞が再び少年たちの間に流通しました。局地戦用に開発された〝ヒート〞を打つと、痛覚が失われ、筋力のリミッターがはずれ、殺意のみに支配される殺人マシーンと化します。
麻薬捜査官の七尾は、〝ヒート〞の売人、仙道を捕らえようとしますが、いつも後手を踏み、取り逃がしてしまいます。そんな時、暴力団幹部の山崎が仙道確保に向けた提携を持ちかけます。七尾は、山崎の持つ圧倒的な情報力に抗えず、手を組みます。
しかし、捕獲直前で、仙道は殺され、殺害現場から七尾の指紋がついた凶器が発見されます。七尾は容疑者として逮捕されますが・・・
七尾、山崎とも非常にキャラが立っており魅力的です。それぞれのキャラがうまく回ることでテンポよく話が展開します。そして、ストーリーは二転三転し、意外なラストを迎えます。
前作を読んでいなくても楽しめますが、先に読んでおくと一層世界観を体感できるので、お薦めします。第一級のエンターテイメント小説です。