2015年2月4日水曜日

571.「みんなの少年探偵団」万城目 学、 湊 かなえ

江戸川乱歩生誕120年記念プロジェクト第一弾です。

現代の人気作家5人による短篇集です。面白かったのは、一作目と五作目です。

一作目は、双子の子どもたちの物語。一つの事件を解決したことで二人の将来の方向が定まり、少年探偵団シリーズの根幹をなす二人になることを暗示しています。万城目学さんなりの独自の仮説が昭和初期を思わせる怪しい雰囲気とマッチして、面白い話になっています。

五作目は、怪人二十面相の嘆きの物語。昭和初期からの80年の長きに渡り、派手な事件を演出し続けてきたことの苦労をぼやきます。恨み節を読んでいくと、「そう言えばそうだな。」と妙に納得してしまいます。

それぞれの著者が、「少年探偵団」という一つのテーマに対して自分のカラーを出して描いた作品がそれぞれ面白かったです。