2015年2月12日木曜日

575.「ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ 」 三上 延

一冊丸ごと太宰治をテーマにしたミステリーです。

一巻で田中によって狙われた初版本の「晩年」は、アンカット版で、
「自信モテ生キヨ 生キトシ生クルモノ スベテ コレ罪ノ子」との太宰直筆の書き込みがありました。

今回は、それとは別の、田中の祖父が持っていた「晩年」の初版本を巡る謎で、太宰自身の特別な書き込みがあります。

田中によって大怪我を負わされた栞子ですが、田中の頼みを受け、この「晩年」の行方を探しますが、それにより47年前の因習が明らかになります。

古書の世界は奥が深く、それに囚われた人たちの闇も奥深い。本巻では、田中の祖父と栞子の祖父、田中と大輔の祖父、そして栞子の祖父たちの因縁も詳らかになります。

シリーズの最終話に向け、さらに謎は深まり、一層興味が高まります。