2015年2月13日金曜日

576.「頭を前向きにする習慣」 赤羽雄二

「ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング」 の続編です。

前著は論理構築トレーニングと様々な課題に対する思考の事前準備をテーマにしていました。これにより、問題が起こった時に、その場で考えずに直ぐに対応できることを説いています。

その方法は、テーマを定めてA4の紙に思いついたことを書き出すことで選択肢が明確になり、最適案を事前に選定できるということでしょうか。

本書は同じ方法の副次的効果について一冊の本にしたものです。頭の中に渦巻く様々な否定的な思いを書き出すという過程でカタルシスが生まれるとともに、全体を俯瞰して、冷静に対応できるようになるというものです。

前回よりも、著者の実体験が書かれているので共感を持って読めます。

ただ、本書の一章と二章は不要であったと思います。これにより、この方法の必要性を強調することが目的と思われますし、ないと本としては薄すぎてしまうので入れたのではないかとは思います。

しかし、一章で書かれたステレオタイプの日本批判のグローバリズム推奨は底が浅いと感じました。日本の悪い点とアメリカの良い点ばかりを比較しても意味がありません。アメリカに悪い点はあるし、世界は日本とアメリカだけではありません。

二章の根拠なき日本人批判もうなずけません。高度経済成長までの日本の成功の秘訣を語っていますが、それは批判された日本人気質があってこそ成し遂げることができた面もあります。

どうもコンサルタントだった方は、財務省と日経新聞のプロパガンダに毒されているように感じました。

方法としては、効果も期待できるし、著者の実体験から得られた内容なので非常に優れたものだと思います。