2015年4月3日金曜日

611.「機龍警察 自爆条項〈上〉 」月村了衛,

機龍警察シリーズの第2作。第33回日本SF大賞受賞作です。

本編は、日本警察に雇われた3人の傭兵のうち、元テロリストのライザ・ラードナー警部の物語です。上巻では、彼女がなぜ北アイルランドのテロ組織IRFのテロリストとなったのか、アイルランドの歴史や政治、テロ組織の成り立ちや、マクブレイド家に対する裏切り者の烙印の真実を絡めて語られます。

IRFによる、日本滞在中のイギリス高官暗殺計画を軸、警察内での特捜と捜一の対立、外務省、経済産業省の思惑、そして、中国黒社会の暗躍が混ざり合ったスケールの大きな話となっています。

上巻は、丁寧にこういった背景を語っていくので、龍騎兵の戦闘シーンは最後に少しあるだけですが、下巻でスピード感ある戦闘が繰り広げられる期待感があります。