2015年4月27日月曜日

627.「放射線医が語る被ばくと発がんの真実」 中川 恵一

著者は、東大病院の放射線医です。

著者によると被ばくした場合、発がん以外の健康被害はないそうです。そして、100ミリシーベルト以下の被ばくで発がんの増加は確認されていないとのことです。

また、放射性物質は水銀とは異なり、代謝や排泄で体外に排出されます。この点、私は体内に蓄積されるものとと勘違いしていました。

つまり、100ミリシーベルト以上の放射線が発生した場合に、100ミリシーベルト以下に半減するまで回避できれば、放射線による発がんの可能性は低いとのことです。

チェルノブイリなどでも、被ばくでがんの増加が認められたのは、唯一、小児甲状腺がんだけだったそうです。その原因は、ヨウ素で高濃度に汚染された牛乳を飲み、1万ミリシーベルト以上の線量を甲状腺に浴びたからです。

福島では事故直後から牛乳などの食品に対する規制が行われました。ヨウ素は半減期が8日と短いので、最大被ばく量は、35ミリシーベルトに留まりました。

専門家から見た被ばくと発がんの因果関係は大変参考になりました。内容に反論もあると思いますが、この内容を一つの考え方として反対論も読んでみたいと思います。