2015年8月31日月曜日

711.「未完の憲法」 奥平 康弘、 木村 草太

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憲法の各論について解説されるのではなく、その成立経緯やバックボーンが語られます。

「憲法というものは、世代を超えた国民が絶えず未完成部分を残しつつその実現を図っていく」というコンセプトが標題となっています。

著者達は、憲法というものの成立過程や条文間の関連性には詳しいですが、現実の政治や経済から遠く、理想論の世界にいるように感じられました。

その主張は、国益や他国の脅威、民族の統一といった観点が感じられません。日本国憲法はアメリカ主導で作られたとしても素晴らしいものだから、一切変えてはいけないと言っているように思えました。

反対することが知的に見えると思っているのでしょうか。対案は全く提案されていません。

日本国憲法を全く変えてはならないというのだったら、憲法学者は何のために存在するのか疑問に思いました。