膵臓の病気で余命いくばくの少女と、偶然彼女の病を知ってしまった少年との短くて儚い物語です。
高校生の「僕」は、病院で偶然、クラスメイトの桜良の「共病文庫」という日記を読んでしまいます。クラスでは明るく溌剌とした人気者の桜良でしたが、そこには、中学時代から膵臓の病にかかり、あと少ししか生きられないことが記されていました。
病気のことを知られた桜良は、クラスで目立たない「僕」にちょっかいを出し始め、2人は急速に仲良くなっていきます。桜良は、残された人生でやりたかったことを「僕」とともに叶えていくのでした。
人と関わることを避け、一人の友人もいなかった僕は、桜良と関わるうちにだんだんと人に興味を持つようになり、生き方が変わっていきます。
病を隠し、明るく人と関わることで自分が生きた証を残そうとする少女と、小説だけを友人として一人ぼっちで生きてきた少年の、短いけれども輝くような時間の物語です。