2015年12月19日土曜日

796.「暴走を始めた中国2億6000万人の現代流民」 石 平

中国はその成長システムの仕組みゆえ、破綻すべくして破綻するようです。

技術も資本もなかったので、安い労働力で外資企業を誘致した。
安い労働で付加価値の低い衣料や玩具を大量生産した。
賃金が低いため、国内では売れないので海外に輸出した。
大量に得た外貨を基に、元を刷りまくった。
大量の元で公共投資し、不動産を投資を煽った。
輸出と不動産のツインエンジンで世界第2位の経済大国になった。
しかし、インフレにより国民生活は苦しくなり、内需が萎んだ。
経済成長を続けるためにハイアールといった製造業までが不動産に参入した。
2014年2月不動産バブルの崩壊が明らかになり、資金は株式に流入した。
2015年5月上海市場で株式バブルの崩壊が明らかになった。

そもそも、世界第2位のGDPというのも情報操作の疑いがあったところで、輸出と不動産のツインエンジンも止まってしまった。あとは真っ逆さまに墜落することが予測されます。

中国は巨大な人口がいるから沿岸部の成長が止まっても、内陸部がこれから牽引するという人もいらっしゃいますが、そもそも沿岸部にも内陸部にも購買力はなかったのです。30年間、不動産投資で経済成長を誤魔化してきたのだ。もはや、墜落を止める手立ては見つからないと思います。

あるとすれば、AIIBで日本を取り込み、獲得した資金で中国の不良在庫と過剰な労働力を途上国に援助という名目で押し込むか、本当は紙切れ同然の元をSDRにより価値を作り出してしまうかだと思います。