2016年1月15日金曜日

823.「中国経済「1100兆円破綻」の衝撃」 近藤 大介

中国メディアは、上海株式市場において、2015年6月15日から7月8日までのわずか3週間で7,000万人以上が平均40万元(約800万円)を失ったと報じました。

そして、信用取引によって自己の投資額の何倍もの損失を出した個人投資家「股民(ダーミン)」の飛び降り自殺「跳楼(チョーロウ)」が続出したそうです。

社会主義市場経済とは、政治は社会主義で、経済は市場経済という論理的にあり得ない政治体制です。社会主義とは計画経済のはずですが、経済を市場経済としたら資本主義になります。
つまり、社会主義市場経済とはこういった矛盾をゴリ押しする一党独裁の資本主義、すなわち、ファシズムでなないでしょうか。


中国の人口は約13億人であり、富裕層(共産党幹部)約3000万人、中間層(都市住民)約6億人、下層約7億人からなります。この13億人をもって「巨大市場」というのですが、下層は富裕層から搾取されるのみで購買力はありません。仮に下層が購買力を持つほど賃金が上がれば、工場の殆どが中国から逃げているからです。

また、爆買いを行っていたのは、中間層ですが、この層は上海株式市場の暴落と中国経済の失速で、もう爆買いできる余力はないと思います。

中国がIMFのSDR化を取得するメリットは、
1. 人民元による世界への融資と投資を可能にする
2. 中国を中心とした世界の富の再配分を行える
3. 世界における中国の金融機関の地位を格段に押し上げる
4. 多種、多様な税収が期待できる

このうち、1のメリットが一番大きいと思います。
もはや、「世界の工場」も「世界の市場」も行き詰った以上、「世界への進出」しか生き残り策がありません。つまり、国内でだぶついた労働力と資材を、「一帯一路」で輸出し、AIIBで決済するという方法です。

SDRは今年認められそうですが、AIIBはジャンク債との評価なので、この目論見は頓挫するのではないでしょうか。