2016年6月30日木曜日

956.「中国4.0 暴発する中華帝国 (文春新書)」 エドワード ルトワック

中国の外交戦略をステージに分けて解説し、来るべき4段階目を予測しています。

【チャイナ1.0】 「平和的台頭」 2000年~
鄧小平の政策により、経済的に発展してきた中国。
自信を深めた中国は次の3つの錯誤をきたします。
  • 第一の錯誤「金は力なり」 金と権力の混同
  • 第二の錯誤「線的な予測」 中国が上がり、米国が下がる
  • 第三の錯誤「大国は二国間関係を持てない」 中国が他国に圧力をかけると、同盟国が援助
【チャイナ2.0】 「対外強行路線」 2009年~
他国は圧力をかければ言いなりになると思い込んでいた中国。
ところが思わぬ誤算が。
  • 中国との摩擦も厭わないタフな安倍首相の登場
  • 日本の財界は利益のため、政治家に圧力をかけ中国の要求に屈するはずだったが
【チャイナ3.0】 「選択的攻撃」 2014年~
抵抗のないところには攻撃に出て、抵抗があればやめる。
  • 米軍基地が去ったフィリピンには、南シナ海のサンゴ礁を軍事拠点化
  • 日米安全保障条約の適用内と言われた尖閣諸島から一時撤退
そして、次にチャイナ4.0の時代がやって来るのですが、著者は、日本側は何も仕掛けるべきではないと云います。中国は巨大で不安定で予測不可能なので、海保、海自、外務省などがそれぞれ独立して「受動的な封じ込め政策」を行うべきであるとのことです。

日本政府は本書を参考にして、ぜひとも「受動的な封じ込め政策」を用意していただきたいです。