昭和初期に紅林部長刑事により引き起こされた冤罪事件について、その事件が起こった背景、原因、人間関係を深く読み解いています。
武蔵事件、浜松事件、幸浦事件、二俣事件、小島事件と数多くの冤罪事件が、証拠捏造や暴力により作り出されていました。
その根底には、旧内務省と旧司法省との確執もありました。
メインテーマから少し離れた情報が沢山提示され、読者は混乱します。これは、多くの情報が押し寄せる裁判官の状況を体感させる狙いからだそうです。
非常に深い話なのですが、何故、道徳感情が冤罪を生み出したのかは、私には明確な答えが出ませんでした。