2016年10月11日火曜日

1025.「全国民が豊かになる 最強の地方創生」 三橋 貴明

最初のアベノミクス1本目の矢である金融緩和で金利が下がり円安になりましたが、期待されていた投資は行われず、輸出も伸びず、トリクルダウンは全く起こりませんでした。

投資が行われなかったのは、デフレ下では景気上昇が見込めないからです。しかも、2本目の矢である公共投資も行われませんでした。

輸出が伸びなかったのは、主たる製造メーカーとその関連企業は既に海外生産を行っているからです。

そのため、国内で資金がダブつき、金利がほとんどつかない国債が買われています。国債暴落論とは全く反対の動きです。

円安によって外資が日本株を買ったので、日経平均株価は上がりましたが、株の売買では実体経済に影響がありません。それどころか、GPIFの投資額を増やしたため年金基金から損失も出ています。

この状況を打開する方策として著者が主張しているのが、「交通インフラへの投資」です。
新幹線の延伸、リニアモーターカーの導入前倒し、貿易港の拡充などへの投資はそれ自体が実質GDPを押し上げ、さらに地方が東京に近づくことで地方の産業が創生されます。その結果、人口が東京一極集中から地方へ分散され、東京での大規模災害に対するリスク・ヘッジになります。

非常に良いプランだと思いました。これを阻む、財政均衡政策と少子高齢化による日本壊滅論を打破し、国土強靭化を実施してもらいたいです。