2017年1月30日月曜日

1089.「日本が全体主義に陥る日 ~旧ソ連邦・衛星国30ヵ国の真実」 宮崎 正弘

「全体主義」とは、自らが信じる絶対的な価値観しか認めず他者の考え方を否定し、排撃し、排斥する、一つの強固な考え方に基いて全体を統一することだそうです。

本書は、著者が実際に訪れた旧ソ連邦と衛星国30ヵ国の現在をレポートしています。タイトルから想像した重々しさはなく、各国の経済、政治体制、庶民の暮らしが描かれています。簡単な観光ガイドのようであり、ブルガリアなどに行ってみたいと思いました。

その一方で、未だ独裁制に近い国もあり、国民の弾圧は終わっていません。一番の全体主義国は、これら旧ソ連邦ではなく、中国であり、そのチベット、ウイグル、内モンゴルへの弾圧は恐ろしいものです。

翻って日本ですが、国内では反日勢力が強く、親日勢力が最近盛り返してきているように感じます。ただ、護憲、米軍撤退、地球市民、自由貿易、外国人参政権、日中友好というフレーズは、一見、正論で自分が広い視野を持っているように酔ってしまうため、これらを包括する全体主義には、その危険性に気づいていかなければと思いました。