私は特にイスラム教が勉強になりました。
イスラム教は、570年にアラビア半島のメッカで生まれたムハンマドによって興されます。
「イスラム」とは、アラビア語で「服従する」という意味です。
「ムスリム」とは、アラビア語で「神に絶対的に服従する人の意味で、イスラム教徒を指します。
商人だったムハンマドは、40歳で預言者となり、メッカからメディナへ移住(ヒジュン)します。ムハンマドは、メッカ軍と争うようになり、争いの中で軍事的リーダーとなります。ついにはメッカを占領し、カーバ神殿内の偶像を全て破壊しました。
つまり、イスラム教は草創期から戦闘要素を含み、占領地では文化的遺産を破壊することが当然だったようです。
スンニ派とは、預言者のスンナに従う人々をいいます。
スンナとは、預言者ムハンマドの行動や言葉をいいます。
スンニ派は、全ムスリムの8~9割を占める圧倒的主流派です。
シーア派とは、アリー派(シーア・アリー)が省略されたものです。
アリーは第4代アリー=ターリブで、ムハンマドの従兄弟です。
シーア派は、少数派ですがペルシア人(現イラン人)に広がりました。
イラクではシーア派が多数だったのですが、スンニ派のフセインが権力を掌握していました。隣国のイランでホメイニがシーア派社会主義を興したので、フセインはイラクへの影響を恐れて先制攻撃しました。これがイラン・イラク戦争です。
フセイン政権崩壊後に成立したマリキ政権はシーア派で、既得権を奪われたスンニ派と激しく対立しています。
シリアでは、シーア派のアサド政権がスンニ派と対立し、隣国イラクのスンニ派が反対勢力を支援しています。
その国境を跨いで支配地域を広げているのが、スンニ派のISILです。
一つの宗教の宗派対立がここまで抗争を大きくするとは、開祖ムハンマドも考えていなかったのではないでしょうか。