2016年9月27日火曜日

1016.「民泊ビジネス (祥伝社新書)」 牧野知弘

「民泊」という言葉は聞いたことがありましたが、詳しくは知りませんでした。
辞書を引くと、「民宿」と同じと記載されていますが、民宿はオーナーも住んでいて、食事も出るので少し違う感じがします。「民泊」は単に空き部屋を貸しているだけのようです。

本書は、著者がかつて勤務していたホテル業に多くのページが割かれ、民泊に関する記載が少なく、客引き目的となっているように感じます。

外国人観光客が目標時期の前倒しで2000万人に達し、オリンピックの2020年には4000万人になるため、宿泊施設が足りなくなる。そのために民泊を活用して経済を活性化しようといった主張です。

しかし、4000万人は単なる政府の目標であり実現の根拠に欠けます。また、ゴミ出し、騒音、治安悪化といった問題には目をつぶっています。さらには、民泊の低価格化によりホテル業の宿泊料が下がるという問題も生じると思います。

観光により日本の経済を活性化させようという目論見は、他国の景気や為替レートに左右されがちです。それよりも、日本の技術を伸ばして内需を拡大し、観光は副産物として考える位でよいのではないでしょうか。