2017年1月4日水曜日

1072.「日本人が教えたい新しい世界史」宮脇淳子

世界史の各論というより、歴史の枠組みというものを説明する本です。

各国の歴史というものは、すべての国にあるものではなく、時間をきちんと同じ長さで測って数字にし、それを過去までさかのぼるという高度な技術が必要という話は、納得すると共に驚きました。歴史があることが当然の日本で育ったのですが、歴史がない国があるというのは新しいパラダイムです。

また、神武天皇以来、2676年の歴史を持つ日本に生まれたことが誇りに思えます。

「中国4000年の歴史」というのは根拠がなく、1911年の辛亥革命時に革命派が、日本の倍は欲しいとの理由で、言い出したのが始まりだそうです。実際は、秦、明、元、清、中華人民共和国は、それぞれ違う民族の国家であるため、歴史は分断されています。今の中華人民共和国は、1949年の建国ですから、67年の歴史しかありません。それとも、モンゴル人も満州人も自分達の祖先であったと言うのでしょうか。

日本にはそもそも、西洋史と東洋史という歴史学しかなく、これを合体させて横に切ったものが世界史となったそうです。そうなると話の脈略がないため、面白くないのも当然ですね。