2016年8月31日水曜日

1000.「知性だけが武器である――「読む」から始める大人の勉強術」 白取 春彦

「読書は意味があるのか」という問いについて、答えることは割りと難しいです。

私も本を結構読んでいる方ですが、
「読書で賢くなったの?」
と聞かれると即答はできませんでした。

ショーペンハウアーは、
「絶えず読むだけで、読んだことを後でさらに考えてみなければ、精神の中に根をおろすこともなく、多くは失われてしまう。」
と書いています(「読書について」)。

つまりは、読むだけでは他人の考えを知っただけで自分の考えにはならないということでしょうか。

しかし、著者は、
「『考える』ことができるためには考える材料がなければならない。その重要な材料の一つとして本がある。」
と言います。

さらに、
「考えるためには何かを読み、読みとった事柄からの刺激がなければならない。刺激なくして自発的に考えることは、ほぼ不可能だ。」
と教えてくれます。

確かに、『考える』ことが人間にとって非常に重要なことの一つだと思います。

ただ、何もないところで自発的に『考える』ことは常に問題意識を持っている人でないとやれていないと思います。

また、自分の持っている情報だけで考えても、同じ思索の繰り返しで狭く凝り固まるような気がします。

「読書を目的とせず、読書をきっかけに自分の考えを広げて深めていく」
そんな生き方をしていきたいと思いました。