2016年9月30日金曜日

1019.「ゼロから始める! 「民泊ビジネス」の教科書」 川畑 重盛

具体的な民泊ビジネスのやり方を教える本です。

立地やターゲット設定、接客などを解説しています。

民泊は、ホテル・旅行業(厚生労働省管轄)と賃貸業(国土交通省管轄)の中間のビジネスであり、これまでは管轄がはっきりしていませんでした。

そのため、特に法律の規制がなくこれまでは無許可、無認可、無規制で行われてきました。

今後、立法化されるそうですが、両省の共同管轄になりそうです。

個人の小遣い稼ぎや、中小零細企業のビジネスとして流行りそうですが、日本の経済に影響を与えるまでになるかは疑問です。

2016年9月29日木曜日

1018.「鋼のメンタル (新潮新書)」 百田 尚樹

続けて2回読むほど面白かったです。
読む度に勇気づけられました。

特に、著者が黄斑円孔という眼の病気で失明の危機に陥った時の
「じゃあ、黄斑円孔を筋ジストロフィーと取り替えられるとなったら取り替えますか?」
という女医の言葉にハッとさせられました。
私自身、緑内障で視野が欠けてしまいましたが、筋ジストロフィーとは変えられません。比較するのも失礼なのですが、難儀度が低いのです。

また、元気で長生きしている老人たちの多くが悪口が好きらしいです。悪口を言うことに非常に罪悪感を感じていましたが、違った考え方に触れ、スッキリしました。

嫌われることを恐れず、言いたいことは悪口であっても言って、自分のやりたいことをやれというメッセージが感じられました。



2016年9月28日水曜日

1017.「ゆるんだ人からうまくいく。 意識全開ルン・ルの法則」 ひすいこたろう、 植原 紘治

「ルン・ル」というのは脱力のメソッドです。

身も心も弛めることによって、様々な能力が開発されるというものです。

呼吸に着目し、息を吐く時に力を抜いていきます。

「ルン・ル」は「死」の疑似体験でもあります。りきむ(生)とゆるむ(死)のサイクルがあり、よく生きるためによく死ぬ必要があるようです。

陰と陽の考えに通じるようです。

2016年9月27日火曜日

1016.「民泊ビジネス (祥伝社新書)」 牧野知弘

「民泊」という言葉は聞いたことがありましたが、詳しくは知りませんでした。
辞書を引くと、「民宿」と同じと記載されていますが、民宿はオーナーも住んでいて、食事も出るので少し違う感じがします。「民泊」は単に空き部屋を貸しているだけのようです。

本書は、著者がかつて勤務していたホテル業に多くのページが割かれ、民泊に関する記載が少なく、客引き目的となっているように感じます。

外国人観光客が目標時期の前倒しで2000万人に達し、オリンピックの2020年には4000万人になるため、宿泊施設が足りなくなる。そのために民泊を活用して経済を活性化しようといった主張です。

しかし、4000万人は単なる政府の目標であり実現の根拠に欠けます。また、ゴミ出し、騒音、治安悪化といった問題には目をつぶっています。さらには、民泊の低価格化によりホテル業の宿泊料が下がるという問題も生じると思います。

観光により日本の経済を活性化させようという目論見は、他国の景気や為替レートに左右されがちです。それよりも、日本の技術を伸ばして内需を拡大し、観光は副産物として考える位でよいのではないでしょうか。

2016年9月26日月曜日

1015.「探偵の鑑定2 (講談社文庫)」 松岡 圭祐

「探偵の探偵」シリーズの最終巻です。

本作は、主人公の玲奈よりも、玲奈が勤務していた探偵事務所の所長である須磨と、その弟分である桐嶋の活躍にスポットが当たっています。

主人公の玲奈もストーカーに殺された妹に対する苦しみから、やっと解放されたようです。

そして、他の登場人物もそれぞれ新しい途へ進んでいきます。

そして、ゲスト出演のような感じだった万能鑑定士の莉子ですが、こちらもシリーズ最終巻への導入が施されています。

純粋に楽しむことができるエンターテイメントでした。ドラマ化できそうな内容です。



2016年9月23日金曜日

1014.「戦略がすべて (新潮新書)」 瀧本 哲史

時事評論の形を借りた「戦略的思考」を磨くためのケースブックです。雑誌のエッセイをまとめたもので、一冊を通して主張するものではありません。

主張が明確で、書体も分かりやすいです。

自ら無線LANの将来予測をはずしたことを告白しているように、内容の正否は分かりませんが説得力がある内容です。

読み終わって何だか賢くなった気分になれますが、単に気分が高揚しただけのような気がします。これをもとに考えるきっかけにすべきと思いました。

2016年9月21日水曜日

1013.「国連が世界に広めた「慰安婦=性奴隷」の嘘―ジュネーブ国連派遣団報告」 藤岡 信勝 編著


「国際連合」が外務省による意図的な誤訳であることを知り驚きました。

"The United Nations"の訳は、「連合国」であり元々はそう呼ばれていました。
その起こりは第二次大戦の英米ソの軍事同盟で、加盟の条件には「日本に宣戦布告」ことが含まれていました。

この戦勝国の管理体制に対する日本人のアレルギーを取り除くために、戦前の「国際連盟」に似た誤訳を当てたのでした。日本人はこのトリックにすっかり騙され、国連は平和を維持するために最高機関と信じ込んでいます。しかし、これは全くの思い込みで、常任理事国の中国のモンゴル占領や、ロシアがウクライナ占領は国連で非難決議されていません。

その国連において、反日日本人、抗日中韓人が従軍慰安婦について嘘を主張し続け、売名目的の委員や不勉強な後進国委員により、真実と認定されて世界中に拡散されてしまいました。

まずは、国連を正しい訳の「連合国」と呼ぶことで幻想から解放されるべきです。
そして、日本に不利益を与える嘘に対してはしっかり反論し、嘘が拡散される場合にはアメリカのように、供出金の供与を停止してもよいと思います。

2016年9月20日火曜日

1012.「GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代」アダム グラント

「ギバー(人に惜しみなく与える人)」
「テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)」
「マッチャー(損得のバランスを考える人)」
に分類し、一番成功するのは誰か調べた実証実験からなります。

要するに、「情けは人のためならず」を検証した内容で、日本人にはすんなり受け入れられる結果です。

しかし、ギバーがいつも成功するわけではなく、特定の条件が必要です。

しかも、成功までに非常に時間がかかるそうです。

そうなると、本人にはなかなか因果関係がわからないなと思いました。


2016年9月16日金曜日

1011.「また、同じ夢を見ていた」 住野 よる

色々と物事を考え、自分の意見をはっきり言う小学生の女の子、菜ノ花。

一人っ子で、両親が共働きの彼女の一番の楽しみが読書です。この環境が彼女を同年代の子供より、少し賢くしています。

その一方、その賢さゆえに、無意識にクラスメイトを下に見てしまい、友達がいません。

そんな彼女が、高校生の南さん、20代のアバズレさん、一人暮らしのおばあちゃんと出会って、様々な体験をしていきます。

「幸せ」とは何かをひたすら問い続ける小説です。様々の年代の「幸せ」を思い、読者にも「幸せ」って何だろうと問いかけてきます。

2016年9月15日木曜日

1010.「探偵の鑑定1 (講談社文庫)」 松岡 圭祐

「万能鑑定士Q」と「探偵の探偵」といった2つの人気シリーズのコラボレーションです。

単なるスピンアウトかと思いきや、「探偵の探偵」でずっと隠されていた須磨と桐嶋の過去が明かされており、「探偵の探偵」のシリーズに「万能鑑定士Q」の主人公、凜田莉子がゲスト出演しているような印象です。

「万能鑑定士Q」シリーズは「人の死なないミステリ」として、幅広い情報と深い洞察力で面白いのですが、きけんにさらされることなく、少し物足りなさを感じていました。それが探偵の探偵との組み合わせで、相互の足りない部分が補完されているように感じました。

性善説の莉子と性悪説の玲奈。正反対の2人が交わることで、互いの考え方にも変化が生じます。どのような生き方がよりよく生きていけるのか、2巻が楽しみです。

2016年9月14日水曜日

1009.「日本が世界をリードする! 第4次産業革命 これから始まる仕事・社会・経済の大激変」 三橋貴明

人口減少がデフレの原因とする理論が一時もてはやされましたが、本書はそれを真っ向から否定するものです。

デフレの原因を名目GDPと潜在GDPの差、つまり、名目GDPが潜在GDPより少ない部分であるデフレギャップとしています。

それに対して、第三の矢である規制緩和、構造改革、福祉削減による小さな政府という緊縮財政を取ると、これらはインフレ対策であるため、デフレが悪化してしまいます。これが長期に亘る日本のデフレの原因です。

しかし、日本の最大の問題と思われていた少子高齢化による生産年齢人口の減少こそが日本を救う大きなチャンスであるというのです。

その理由は、生産年齢人口の減少により人手不足が起こり、完全雇用に近い状況になります。そして、雇用を維持するため賃金が上昇し福利厚生も充実していくのです。

それでも足りない労働力を技術開発による生産性向上により補うのですが、それに不可欠な技術力も幸いな事に日本には存在します。

これを妨げる要因が、外国人労働者の移民です。これが行われると本来上昇するはずだった賃金が上昇せず、日本人の雇用も増えず、技術革新の必要性も薄れてしまいます。さらには異民族間の不調和による社会不安も起こります。

難民は人道的な面からも受け入れるべきですが、経済移民を雇用対策として受け入れる必要はありません。そうすれば数年後には日本はデフレから脱却できていると思います。




2016年9月13日火曜日

1008.「確率捜査官 御子柴岳人 ゲームマスター 」 神永 学 角川書店

メインキャラクターの基本的な構成は、心霊探偵八雲に似ています。

傲岸不遜なイケメン主人公、主人公にイジられる天然系の美少女、2人を取りまとめるベテラン。

その構成で、駆使する武器は、トリガー戦略、ゲームの木、支配戦略といったゲーム理論です。

少し人間関係を複雑にしたため、混乱が生じるきらいはありますが、よく練られたストーリーです。

論理で事件を解決するが、人を救えるのは感情であるということが訴えられているように感じました。

2016年9月12日月曜日

1007.「お金持ちが財布を開く前に必ずすること」 午堂 登紀雄

財布を開く前の視点の一つとして、
「それは投資か?それとも消費?」
という判断基準を持ちましょうという提案は、非常に面白く、かつ実用的です。

中でも面白かったのは、
「保険の加入は消費です。」
「お受験や大学進学は消費です。」
「資格取得は消費です。」
「お父さんの小遣は投資です。」
「海外旅行は投資です。」
などです。

理由は本書に譲るとして、その内容は明確で納得できるものでした。

著者が言うように、投資か、消費かは、読者の判断に委ねられるものですが、どちらか考える事自体に意味があると思います。



2016年9月9日金曜日

1006.「大丈夫だよ、すべてはうまくいっているからね。」 斎藤一人

いいお話なんですが、もう殆ど過去の書籍の内容の刷りなおしのようになっている気がします。

一般に悪いことと思われていることも見方を変えればいいことになるよというメッセージです。

売りである「納税日本一」も2004年までの話で、すでに12年前の話となってしまっています。

また、それだけの利益を上げられる原価率はどうなっているのでしょうか。卸を通さない、直販に近いネットワークビジネスで、お弟子さんをハブにして、こういった話で末端のメンバーのモチベーションを上げているようにも感じます。

同じ内容でも出版すれば売れるので出版社からの誘いが多いだけで、もう新しい話は出てこないのかもしれません。

初期の書籍の方が具体的内容で良かったような気がします。

2016年9月8日木曜日

1005.「大放言」百田尚樹 新潮新書


とても面白く読め、「そう、そう」とうなずける話が満載です。

「自分を探すバカ」や「好きな仕事が見つからないバカ」は現代の世相を非常によく表しています。

また、24時間の「チャリティ番組」について、「チャリティだけど出演者は高額な出演料を得ているのだろうな」という私の疑問を解き明かす裏話など、「そりゃそうだろうな」と納得してしまいました。

マスコミが雑談のなかの一部分を切り取って曲解させる話(私は寝ていないんだ)とか、言っていないことを捏造する話(不倫は文化だ)など、マスコミの本質が伺えました。

2016年9月7日水曜日

1004.「「ゆうちょマネー」はどこへ消えたか: “格差”を生んだ郵政民営化の真実」 菊池英博 稲村公望 彩流社

新自由主義による郵貯解体を描いています。

米国は、レーガン大統領のレーガノミックス(=新自由主義)により双子の赤字に追いやられ、債務国に転落します。その国内資金として目をつけられたのが、日本の郵貯マネーでした。

国有企業である郵政公社を解体して、株式を購入して支配するために、米国はクリントン大統領の時に、年次改革要望書というものを送りつけて、これを勧告します。

自民党内の郵政族議員の力を削ごうとしていた小泉首相の思惑と一致し、郵政民営化キャンペーンが始まります。その主導者は、「竹中の動くところ必ず後ろにカネの話がある」(奥田碩氏)と言われた竹中平蔵氏。

竹中氏は米国のマーケティング会社を使い、日本のB層(IQが低く、構造改革に賛成する層)を狙い撃ちした宣伝で、まんまと自民党を大勝させたのでした。

その結果、一度参議院で否決とされた郵政民営化法案が、衆院で可決され郵政公社は解体・民営化され、ゆうちょマネーの投資先は株式から米国債へと舵を切られました。

これにより、国債を買うことで日本国内の公共投資に資金が供給され地方までが開発されるという流れから、米国債を買うことで資金が米国に流れ、米国の公共投資に使われるという流れに変わってしまうことを意味するそうです。

小泉政権当時、自分自身完全に印象操作され、なんとなく抵抗勢力というレッテルを鵜呑みにしてしまった自分は、完全にB層であったと思いました。

ブームの時に、反対意見にも冷静に目を向けるにはどうすれば良いのか、課題を与えてもらいました。

2016年9月6日火曜日

1003.「ここでしか教えない!「稼げる」弁護士になる方法」 鳥飼 重和

稼げる士業になるためのヒントに富んだ、大変示唆深い本です。

まずは、「専門性」。当たり前のようですが、試験に合格すると専門分野についての勉強を怠ったりします。専門分野のセミナーに通うことを勧めていますが、お金を払っても行くべきです。

そして、勉強の領域を法律分野だけでなく、会計、経営など、とにかく興味、関心のある講座に何でも参加することです。それにより、手付かずの領域が見つかるかもしれません。

更に、勉強会に参加すること。名刺交換会などでは名刺が増えるだけで人脈となりずらいです。自分が見つけた手付かずの領域に関する勉強会に参加し、人脈を作ることで仕事の幅が広がっていくと思いました。

2016年9月5日月曜日

1002.「プライベートフィクション (講談社ノベルス)」 真梨幸子

5つの短編集からなります。

タイトルが意味深いのですが、著者のプライベートも含まれているのでしょうか。

「いつまでも、仲良く。」は、女同士の横並び意識や嫉妬心がよく描かれていると感心しました。

表題作「プライベートフィクション」は、長編小説「みんな邪魔」の作者側から見た裏話です。

気軽に読めて、軽い毒気に当てられ、少し嫌な気分になれる本です。

2016年9月2日金曜日

1001.「やがて哀しき憲法九条―あなたの知らない憲法九条の話」加藤秀治郎 展転社

「平和憲法だけで平和が保障されるならついでに台風の襲来も憲法で禁止しておいた方がよかったかも知れない。」

これは哲学者で京都大学名誉教授であった田中 美知太郎さんの言葉だそうです。痛烈な皮肉です。

著者は、さらに
「たとえば、北朝鮮と境界を接している韓国に対し、『韓国も憲法9条を持ちなさい。それで円く収まります。』と言って、本当に聞いてもらえると考えているのでしょうか」
と問いかけます。

ニクソン大統領は、1953年に来日した際、
「もし非武装が1946年(制定の年)においてのみ正しく、1953年の現在、誤りだとするなら、なぜ合衆国はいさぎよくその誤りを認めないのでしょうか。私はこれから、公務についている者が果たさなければならぬ務めを一つ果たそうと思います。今日ただいまこの場所において、私は合衆国が1946年に過ちを犯したことを認めます。」
と詫たそうです。

このことは、日本では殆ど報じられていないのではないでしょうか。