「自虐史観」とは、日本は先の戦争において加害者であるから、東アジアの近隣諸国に誤罪し続けなければならない」とする歴史観です。
このような歴史感を土台にした報道は、「偏向」と呼ばれ、それを放映したテレビ局は、「反日メディア」と世ぼれます。「反日メディア」には、「確信的反日」と「無自覚な反日」があり、「確信的反日」には、反日イデオロギーが存在します。
「無自覚な反日」は、国威掲揚=悪という意識から発現し、「浅田真央転倒パネル事件」などがこの例です。
独特の視点から気がつかなかった論点を抽出し、根拠づけて解説している前半はとても面白かったです。
後半は、言いがかりのような大手メディア批判が展開します。
大手メディアの新入社員比率の4割が早慶出身者であるため、大手マスメディアは、「スタンフォード監獄実験」、「あさま山荘事件」「オウム真理教」のような隔絶された社会環境となり、性犯罪といった犯罪の温床となるとなる偏った主張を展開します。
この章を読んでいると、著者が学歴により大手メディアに入れなかった恨みを抱いているのではないかとすら疑ってしまいました。
大手メディアを根拠なくひとくくりにして「反日メディア」と、断定し、「それをインターネットで打倒するのではなく、ゆるやかな変化を求める」という、なんとも曖昧な結論にまとめてしまい、竜頭蛇尾の感を逃れられませんでした。